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センシティブ♥ボーイ

第24章 あいつのために









HRが終わってマサは早々に帰っていった。
ホッとしてカバンに筆箱を入れて下駄箱に向かった。



今日は予備校ないから……
あ、タマの飯がそろそろなくなるんだった。


帰るついでにホームセンターによって…

携帯をいじりながら考えていると、下駄箱に大きな影。




「…………おう」

「………」



目があった時には遅かった。

帰ったはずのマサが立っている。
俺の下駄箱の前で。




「あれ…帰ってなかったの」

「お前と話すことあっから…」

「へーそう…」



目をそらしてマサの横をすりぬける。



「おい、話…」

「明日でもいい?今日予備校…」

「無えって書いてあるけど。」

「え。」



携帯のスケジュール帳を開いたままにしていたのを覗き込まれた。

予備校の日は予備校と入力されている。
今日は残念ながら何も書いてない。



「お前さ…」



マサが溜息をついた。
俺が立ち止まると、マサは続ける。


「お前…俺に隠してることない?」

「………」


血の気が引いていくのがわかった。
完っ全に殺される。

なんで気がつかれたんだ。
音がしただけで?

いや、俺の態度がおかしかったから?



頭の中でぐるぐると考えるけど、結局わかるはずもない。
考えるよりも、他にやらなきゃいけないことがあることは十分にわかっていた。




「ごめん!!マサ!!見るつもりなんてなかった!!いや、キスくらいは…っでもその先なんて!!不可抗力っつーか…でもごめん!!ごめん!!」


土下座をする勢いで誤った。
まだ土下座はしていない。


土下座は最終手段だ。



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