テキストサイズ

センシティブ♥ボーイ

第26章 ちょっと距離を置こうか。

【崇史side】






「圭ちゃん…距離を置くってどういうこと?」




休みの日。
けいちゃんが持ってきた小説を二人でずっと読んでいた。



圭ちゃんが持ってきてくれるものは大概恋愛小説だ。

少し前まではハッピーエンドで終わるものが多かった小説も、最近圭ちゃんが持ってきてくれるものは別れてしまったり、哀しい小説が多い。


圭ちゃんの趣味が変わったのかもしれないけど。


今日も雲行きが怪しくなってきた。




『少し…距離を置きたいんだ』

『少し…少しって…どれくらいだよ…っ』

『少し…ひとりで考えたいんだよ』

『だから…少しって…っ明日?明後日?もっとあと?…それとも……っ』

『あーもー!五月蝿いな!お前のそういうところ。正直重いんだよ』





絶対良いシーンじゃない。

だけど希望が持ちたくて、圭ちゃんに助けを求めた。




「距離を置きたいっていったら…大概別れるでしょ。すっぱり分かれるのも面倒になりそうだから、距離を置くっていう名目で…自然消滅?みたいな?」

「し、自然消滅っ…それって」

「勝手に関係がおわんだよ。だから…最初は予定が合わないとか言って会う回数が減って…そんで…ばいばいみたいなね」

「………」

「どうしたの?たかちゃん」



圭ちゃんの話を聞いて、僕は一抹の不安を覚えた。




「どうしよう圭ちゃん!!僕…僕…っ距離を置かれているかも知れないっっ」

「……はあ?」






ストーリーメニュー

TOPTOPへ