
センシティブ♥ボーイ
第30章 そっち?どっち
「同じ学校?」
「は、はい…っ」
「聖司とはよく遊んでくれてるの?」
「は、はい…どっちかっていうと僕が…遊んでもらってるって…いうか…」
今日だって、朝ごはんまでバッチリ作ってもらってるし…
フローラルの香りが脳にまで行き渡って、クラクラしてきたとき、ドンドンドンドンと足音が聞こえて、ようやく解放される瞬間がやってきた。
「おいっ何やってんだっ困ってんだろ佐藤が!!」
「わ…っ」
ぐいっと身体を引かれて鈴木くんの身体の中に包まれる。
嬉しくなって、しがみつきそうになったけど、慌てて手を引っ込めた。
「だってぇ…可愛いんだもの…お母さん聖司がこんなに可愛いお友達がいるなんて思わなかったっ」
「友達じゃねーよ。付き合ってんだから」
「あら、そうなの」
「………っ?!」
…………え……?
なに、この自然な流れ……っ
普通こういうものなのかな…
僕は鈴木くんが好きで、鈴木くんも僕のことを好きでいてくれるけど、…こういう関係ってあんまりメジャーじゃないんだろうなって思ってたんだけど……
僕のお母さんにいったらきっと腰抜かしちゃうと思うんだけど……
あ、そうなの
で、終わるものなの?
これって…一世一代の告白なんじゃないの?
あっという間に終わった会話に目をぱちくりして鈴木くんを見つめると、ああ、と気が付いてくれたようだ。
「ああ、この人俺の母さんだよ」
「よろしくね~」
そ、そこじゃ…ない……
