
センシティブ♥ボーイ
第31章 一人はダメ
「さ、さとう……っ何という…かわいらしい…っ」
「あ、あのよかったら…これ…」
「え?」
「汗…かいてるみたいだから…」
とりあえず滴る汗を拭いて欲しくって、使っていないタオルをあげた。
どうせ近所のスーパーのくじ引き大会でもらった手ぬぐいだからあげちゃってもいいや。
「……は……っあ、ああありが…っ」
その人は僕の上げたタオルにもっと呼吸を荒げると、メガネなんてお構いなしにゴシゴシと顔を拭きまくった。
なんだか…おかしな人だなあ…
「あの……それで…なにか…ようですか…?」
「用…そう…っ用があって…あの、君は……っ」
「ひゃ…っん」
「………?!」
いきなり肩を掴まれて、思わず変な声が出てしまった。
そうだった僕……っ
今までは外だととっても警戒していたけど、最近は鈴木くんが傍にいてくれたから気を抜いて過ごしすぎて、忘れていた。
声…出ちゃうんだった。
「き、きみ…っふーっふーっきみ…っ下の…名前…っ」
「し、下の名前は…たか…」
「おい。こら。何やってんだ。」
崇史ですと言おうとした瞬間、とっても不機嫌な声が上から降ってきた。
「す、鈴木くん…っ」
