
センシティブ♥ボーイ
第36章 偏差値より人間力
男の声ではあるのに、
可愛らしいなんて思う俺も重症だ。
「で?なんでA大に決めたの?」
「なんでって…決まってんじゃん」
トコトコと歩いてくる音を聴いて立ち上がる。
「あー…なるほどね。」
緩む俺の顔を見て察した坂本は、少し呆れたように笑った。
それと同時に、リビングのドアを開ける。
「す、すずきくん…こんにちは」
「おう。」
ほわりとしたその雰囲気に酔いそうになりながら、
抱き締めたくなる衝動を押さえて招き入れる。
「まあ、佐藤くんと同じK大行くって言うより大分堅実だと思うよ聖司。」
「…うっせ。」
「……?」
俺は首をかしげた佐藤の髪の毛をくしゃりとすると、先程からデリカシーのない坂本にベッと舌をだした。
