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空き教室に入った夏帆を追って、俺もそこへ入る。

すぐさま電気を点けた俺を驚いて振り返った夏帆は、慌ててカーテンを閉めた。


(何？見られちゃマズイ系？)

ていうか、こんなとこに連れ込んで何する気だよ？

でも、

(大和撫子の夏帆に限ってナニスルってこともないか)

うさこなら押し倒されそうだけど…と思えばまた笑えてくる。

”うさこ” なんて名前なのに、ガッツリ肉食系なんだよな。


「伊久美くん…」

夏帆の声に慌てて振り返れば、

「好きっ！」

夏帆らしからぬ大声。

驚いて目を見開いた俺に、

「伊久美くんが好き…っ…好き、なの……」

夏帆は叫びながら抱き着いてきた。


うわ…マジかぁ……

夏帆が…？

まさか ”平成の大和撫子” に告白されるなんてな。

ちょっとニヤける。


でも、サークルのマネとセフレ関係って面倒臭そうだな。

なんて…頭の中で下半身と相談していれば、

「お願い…永瀬さんといるより絶対幸せにするから……永瀬とは別れて？ねぇ？私と付き合って？」

夏帆のその言葉に、

「だっ、ダメーっ！私だってつーくんが大好きなの！絶対別れないーっ！」

物陰からうさこが飛び出してきた。