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初カノはエロうさ

第2章 見たい!見せたい!欲張りな彼女

「やだやだやだっ!つーくん!別れるなんてやだーっ!」

勢い余り、倒れこむうさこを、

「うさ⁉︎ 」

慌てて抱き留める。

……ていうか、

今回はメールしてないし、呼んでないよな?

いつからいたんだ?

やっぱりストーカー?



「ヤダヤダ!浮気は許すからぁっ!別れたくないーっ!」

泣きじゃくるうさこ。

まるで子供みたいだな。

感情のままに泣けるなんて、羨ましい。


「よしよし。いっぱい泣け。うさこの泣き顔は可愛い」

うさこの頬を引っ張れば、泣き顔が歪み、間の抜けたその顔に笑えてくる。


「い、伊久美くん…っ…な、がせさん……」

うさこの登場に、夏帆はこちらを見つめてオロオロとしている。

大和撫子が肉食になってくれたってのに……ちょっと勿体無かったか?

でも、うさこみたいな面白い女と別れるとか、正直もう考えられない。



「よくみひゃら、ひゃひゅひぇのみゃねのふゃほひゃん」

俺に頬を引っ張られたまま、夏帆を指差し叫ぶうさこ。

何言ってるか、わかんねぇ!

思わず吹き出す。
 

俺とうさこをオロオロと見ていた夏帆。

その瞳が一気に開いた。

「なんで?なんで永瀬さんなの?全然釣り合ってない!伊久美くんの男を下げる前に、早く別れなさいよ!」

大和撫子は仮面か?

すごい勢いでうさこを睨む夏帆。


「……俺、うさと別れるつもりはないんで。行こ、うさ」

うさこの頬を引いたまま歩き出せば、

「ひゅーきゅん♡」

俺の手を振り払うこともなく、うさこは嬉しそうに笑う。

……変態な上にドMか?

うさこといると笑いが絶えない。


歩き出す俺とうさこの背に、夏帆は慌てたように叫んだ。


「ま、待って!別れなくていいよ!浮気でいいから!伊久美くんに触れたいの!触れられたいの!」


ニヤリと笑ったうさこの、変態スイッチが入ったのがわかる。

ポケットから携帯を取り出し、キラキラ…いや、ギラギラした瞳で俺を見つめている。

─────…本当に変な女だ。


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