芸人さん小説集
第10章 我儘。あるがまま。
〜喫茶店〜
飯塚: いきなりだけど、大事な話するね。
角田: …おう。
飯塚: …俺さ、すっげー角ちゃんのこと好きだったの。だから告ったのね。そしたら、OKもらってさ、すっげー嬉しかった。
角田: …。
飯塚: でさ、ほんと幸せだったわけ。毎日が。…でもさ、違ったんだよ。
角田: なに、が?
飯塚: 俺さ、角ちゃんとデートしてるとき、ずっと豊本のこと考えてたんだよ。もうさ、20年も一緒にいると、頭に焼き付いてんだよ。
角田: …。
飯塚: 俺の隣にいるのは、豊本じゃなきゃいけないんだ。それを、角ちゃんといて気づいたの。
角田: それは、豊もっちゃんが告白したから?
飯塚: 違う!豊本は悪くない。豊本が告白してなくても、結末は同じだった。
角田: …ならしょうがないね。