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少女グレイスと森の魔女

第6章 暗雲

40『静寂』


「クレアにはきっと神のご加護があると思います」


「ああ、そうだね。私もそう思う。…クレアが無事に帰ってきたらまた仲良く遊んでやってくれ」

クレアの父はグレイスの頭を軽くなでた。



「あまり長居すると妻が心配するのでそろそろ失礼します」



クレアの父をドアまで見送ると母は言葉をかけた。

「どうか、お気を強く持ってください」


「ありがとう」

クレアの父は強く頷いて出て行った。



……



心配ないわ
クレアはきっと大丈夫よ

グレイスは椅子に座り、胸元で手を組んで祈り始めた。



母も立ったままクレアの父が出て行った先を向いて祈る。



母はふとグレイスへと目を移す。

母にとって今のグレイスも気がかりだった。

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