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４２『二人の男』


｢へっへへ…
いいんですかい？あとでどうなっても知りませんぜ？｣



｢下衆め…｣
男は小さく囁いた。


…!?


男は思い直したように占い師へと振り向く。


｢情報はいらん
だが混乱は避けたい｣


男は手持ちの金のほとんどを占い師に手渡した。



｢おお！
へっへへ…、そうこなくっちゃ。
話のわかるダンナだと思ってましたぜー｣



男は腰に手を当てて顔は横に向け黙っている。



占い師は金を数えながら話しはじめた。

｢あの婆さん、最初は宝石を盗まれたから犯人を見つけろとか言って来ましてねー、その時に偶然通りがかったそこの家の娘が気になってたみたいですぜ？｣



｢…情報はいらんと言っただろう？｣



占い師は男をなだめるように手をひらひらと動かす。

｢まぁ、そう言わずに。
そんで夕暮れ時になってまたその婆さんが現れて、自分の言ったことは忘れろって金を置いてったんでさ。
ワケわからんでしょ？｣