
山岸君と照井君
第12章 別世界―――……。
「母の味――――…
僕だけ、知らないのかな?」
つい…兄たちが羨ましくなった…
兄たちも…母の料理を食べたことが無いかも知れないが…
僕は、照井君の弁当をそっと撫でた――――――…
「――――…今日、家で晩飯食うか?
友達の一人や二人…増えたからって…
怒るような母さんじゃね〜し」
え!?晩ご飯?!
で…でも、お弁当も頂き…夕飯まで…
いくら何でも図々しい……
よな…
「考えておく!!」
「はいはい…」
照井君は、あきれ顔で僕の頭をポンポンと触れた…
あ――――――――…
照井君の手―――――…
やっぱり…
落ち着く―――――…
