
山岸君と照井君
第12章 別世界―――……。
麟太郎さんの車は…
僕の自宅に着いた――――…
麟太郎さんから家に送られる事は何度かあったが…
こんなに長く…感じたことはなかった…
「さぁ、苑君!着いたよ!」
「いつも、ありがとうございます。」
車のドアを開けてくれる麟太郎さんは…いつも紳士的に僕に接してくれる…
「いいよこれくらい、私は…毎日でも苑君の送り迎えをしたいくらいなんだから」
「え?いいですよ!麟太郎さんだって仕事が有るわけですし…
僕は、ちゃんと登下校できる年ですし」
麟太郎さんは、ハハハっと笑い…僕の手を握った―――…
「――――…?」
「手、繋ぐの好きなんでしょ?」
麟太郎さんは、微笑む―――…
いや〜…麟太郎さんは…勘違いをしている…
