
山岸君と照井君
第28章 無言の別れ―――…
「―――…俺は…俺は―――…
納得できません――――…」
岳心さんの…冷たい表情が怖くて…
見れなかったが…
納得出来ない俺の気持ちは…
解って欲しかった…
「――――…“納得…できません”…普通は…そうだよな」
岳心さんの…声が…ワントーン低くなった気がした――…
「―――…それでも…
一時の感情として…無視して進むんだよ…
あの人達は――――――…」
―――――…この感覚…
覚えがある――――…
諦めて…ため息すらも…
体力の無駄だと…悟ってしまった…
出会った時の苑心の…雰囲気だ…
無駄…なのか?
両親なのに…
兄弟なのに――――――…
“恥”だからと…
“普通じゃない”からと…
弁解する機会すら―――…
俺にはないのか?
