
山岸君と照井君
第28章 無言の別れ―――…
岳心さんは…項垂れる俺を……黙って見ているにちがいない――――…
好きな気持ちを…
愛しい気持ちを……
誰にも押さえることなんて…
出来ないんだから―――…
「―――…苑心に…あわせてください…」
涙が…ベッドのシーツに落ち――――…
無色のシミを作る―――…
悔しさと――――…
更なる自分の力不足…を…
思いしる―――――――…
「―――…あの人達は…あの現場を…
叫びを…願いを…絶望を見ていないから…言えるんだよ―――――…
どんなに君が…弟を必死に守ったか…知らないから…」
