
山岸君と照井君
第4章 独り占め―――…。
「僕には、兄が居るとは言ったよね…
しかし、カケルお兄様の様な優しい兄ではないのだよ…
だから…カケルさんが兄だったらなぁ〜……と、思う憧れだ!!」
「はぁ?ラブ…だと…思ってた―――…だから、カケルさんに…嫌な思いさせた…って、今悩んだんじゃないのか?」
山岸は、俺の左側に立つと―――…
「いや…失礼な事をしてしまったのだろうと……反省していたところだ!!
だが、明日――――…杉浦君の家に行き…カケルお兄様には謝った方がいいのだろうか……」
「な……別に…明日、杉浦に謝ればいいだけじゃね〜の?
ったく……なんだよ…ややこしい」
俺は―――…ホッとしていた…
「しまった!!
僕達は…まだ、目的を果たしていないじゃないか!!
まったく!!照井君の道草癖には困ったものだ!!」
山岸は、俺の隣でフンっと…
鼻息を荒くした…
