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山岸君と照井君

第30章 背中合わせ―――……

【照井side】



「―――――…ガキが…

カッコいい別れ方してんじゃね〜よ」



病室から離れ―――…



廊下の角を曲がると――――…



苑心の病室を教えてくれた岳心さんが…壁にもたれ俺を待っていた――――――…



岳心さんの顔を見たら―――…







こらえていた涙が…溢れて―――――――…





俺は…床に……崩れ――――…





声を殺して泣いた――――…






「――――…別れて…なんか……ないです――――…

俺たち…まだ…ラブラブっすよ――――…ぅ…ぅ――…」





「―――ラブラブね…」




岳心さんは、俺の肩を支え…立ち上がらせる――――…




「―――…苑心は…こんな不細工八重歯野郎のどこが好きなんだか…」




「……貴方には関係ないじゃないですか……


岳心さん…口悪いって言われませんか?」




俺は、支えられながら歩くが……



岳心さんの…性格の悪さに有り難みを感じない…








「―――…え?初めて言われた…

俺、普段…猫被ってるから…


こんなに素を出すの、苑心意外初めてかも」




あの兄で…この兄……



苑心……お前…イギリス行って正解かも――――…




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