
山岸君と照井君
第30章 背中合わせ―――……
「――――…父さん…母さん…
俺……今…
男と付き合ってる………
相手は、山岸 苑心…ここの病院の息子…
今回のこのケガ…その…ゴタゴタが原因なんだ…」
見事なまでの…沈黙…
俺は、布団を掴みながら…
俯く―――――――――…
息子のケガだけでも…
結構…心配かけたのに…
その原因が…同性愛者の痴情の縺れだ―――――――…
一般両親のキャパを越える衝撃だ…
頭脳に…
余裕に容量がある人でも…
回線がパンクする情報量だと思う…
我ながら……親不孝の真っ最中だよな――――――…
「――――…そっか…そっか―――――――…
ちなみに…どんなゴタゴタ?」
母さんの震える声が…俺の胃をギュッと掴むが―――…
俺は、包み隠さす話した――…
誤解はして欲しくなかったから
ちゃんと…順立てて話した…
