
山岸君と照井君
第30章 背中合わせ―――……
「え?…母さん…父さん…
…気持ち悪くないの?ガッカリしないの?
自分の息子が“男と付き合ってる”ってカミングアウトしたんだぞ?
そのリアクションは違うだろ……?」
すると…母さんはベッド脇のティッシュを何枚か引き抜き、鼻を豪快にかんだ…
「――――…んぁ…え?気持ち悪い?
なんで?!恋愛は男女だけのものではないわ…
男同士だろうが、女同士だろうが…互いを思いあって【愛】の形が出来たなら…
気持ち悪いとか思わないわよ…
お母さんもお父さんも…そんな人達何人も見てるし…
何件も、お部屋やお家紹介してるし…」
俺は、鼻水をすすりながらケロッとしている両親に…
改めて…敵わない…と感じた…
