
山岸君と照井君
第30章 背中合わせ―――……
「そ〜だぞ?同性愛者だからって、宏樹が私たちの息子じゃ無くなるわけじゃないだろ?」
父さんは、俺の包帯でぐるぐるなった手を包み……
笑ってくれた―――――…
「それに…こんなになるまで…必死で山岸君を守ろうとした息子を…
誰が、気持ち悪いと思うんだ!!
人を守れる子に育った事に…父さんも母さんも!!感激だ!!
我が子ながら!!かっこいいぞ!」
父さんに包まれた手は…
痛み止が切れて…ジンジンしていたけど―――――…
暖かくて……痛みが飛んでいきそうだ――――――…
「そうね…
ケガして…ボロボロだけど…
惨敗間ありまくりだけど…
内容聞いたら…もう、怒れないわよね…
非行に走ってのケガだったら…ぶん殴ってたわ!?」
母さんも、俺たちの手に――…
手を重ねて…笑ってくれた…
