
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
俺のマンションは…
病院から少し離れた場所にある…
俺の専門は眼科…
急な手術はほとんどないし、雷心兄さんの様に…病院命の思考も持ち合わせていないから…
プライベートはなるべく医療関係から離れたかった…
生活感のない部屋だが…
病院にいるよりよっぽど落ち着いた…
俺は、鍵を無造作に置き…
ネクタイを緩めた…
「適当に座ってください?今日から、貴方の家でもあるんですから」
俺は、お湯はりボタンを押しお風呂を準備しつつ冷蔵庫からビールを二本取りだし一本を米屋に渡した…
「―――――…出所に乾杯」
プルタブをあげると小気味のいい爽快な音が弾けた!!
そのまま飲み始めるが…
ビールを目の前に米屋は、じ〜っと見つめ…動かない…
「今後の話しは、風呂上がりにでもしましょうか…」
ビールを飲みながら米屋の様子を見るが……
米屋は、飲む気配を見せない……
すると…“ピ〜ロリン♪ピ〜ロロン♪”と…
お風呂の準備が出来た曲が流れてきた…
「俺は、風呂に入りますね…」
会話も無い訳だから……
俺は、とっとと部屋をでて浴室に向かった――――…
