
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
ここに住め…
俺の手伝いをしろ…
爆弾は手元で管理する……
岳心さんの言葉が…頭をぐるぐるとめぐる…
「―――――…そんな事しなくても……
私は、誰にも何もいいませんし―――――…
お父上様の…潰しも――――…受けるつもりでしたのに…」
今にも落ちそうなビールの缶を…そっと…手からはずしてやると…
俺は、岳心さんの顔を覗きこむ―――――――――…
「―――…睫毛…長い…
すこし…苑君に似てる…」
当たり前だが…
顔立ちは…苑君と似ている…
ズキン…ズキン…と…頭痛がする…
岳心さんは……嫌味な言い方にクセがある人ではあるが……
口に出るぶん……
お父上様や雷心様より……
腹黒くはない気がする――…
