
山岸君と照井君
第31章 愚か者―――……
俺は、コーヒーを一口飲む――――…
久しぶりに…豆から入れられたコーヒーに…
肩の力がスーっと抜けていくのがわかった…
鼻から抜けるコーヒー独特の苦味が…
俺を日常に引き戻してくれた―――――――…
「美味しい――――――…」
「そうですか―――――…
では、食べながらでいいので…聞いてください」
それから岳心さんは、開業の件で俺が何に携わるのかなど話した―――――…
様は…岳心さんの秘書のようなポジションだった――…
それから…いくつかある部屋の一つを俺の部屋とすると―――――…勝手に決めていた…
しかも―――――…
テーブルに鍵が置かれた…
「――――――…私は、まだ…
ご一緒するとは……」
