
山岸君と照井君
第32章 好敵手―――……
「―――…何…されんだよ…」
「――――――…新薬の…実験体?とか?」
う゛ゎ…シャレにならんレベルの制裁だなぁ…
「な……まさか」
「ハハハハ…私もそう思いたいですよ…」
ヤバい…リアルだ―――…
しかし、米屋はこうして…岳心さんの所にいるし…
めでたし…めでたしなのか?
米屋は…広げた教科書と…参考書を見比べて…
俺の筆箱から、青ペンを取りだし…余白に…何かを書き足していく…
「でも…今は…岳心さんのところで…秘書みたいな仕事をしてます―――――…
拾われたのですから…下僕の勢いで尽くす覚悟です」
下僕の覚悟―――…?
あの…米屋が?プライドが高い米屋が?
「…だ…大丈夫なのか?
米屋―――…岳心さんの嫌味に我慢出来るのかよ……」
米屋は、クスクスっと笑い…
「――――…あ〜慣れると…
クセになって来ますよ?」
「はぁ?マジで言ってる?
俺は、無理だね!!
米屋…本当に変わったな?」
米屋は…俺のまとめているノートを見ながら…
“悪くない…変化です”って…呟いた…
俺も……強く…
いい意味で変化した米屋を…
悪くないと…感じた…
「米屋……ここ…教えて」
「では…
雷心さんをギャフンと言わせるような、成績を取らせるとしましょう……
弱音を吐いたら―――…
岳心さんを“嫌味チビスケ”って呼んでるのバラしますから」
「う゛――――――…」
