
山岸君と照井君
第35章 指先―――……
ホテルに到着し…クロークにコートを預け――――…
式場に向かう…
今時ホテルで式をあげる人も珍しいが…
山岸家の長男だ…
形式にこだわったり…披露宴の招待客も多かったりするのだろう…
やっぱり場違いの気がして…
胃が痛くなってきた…
俺は、式まで休もうと…ソファを探す―――――…
丁度…視界に入ったソファに近づくと―――――…
黒い…着物の女性がぐったり項垂れた状態で座っていた!!
「だ…大丈夫ですか?」
「――――――…ぁ…」
女性は、うっすら目を開け俺を見る…
色白の…小柄な…女性―――…
黒い…着物は…裾に柄が刺繍された婚礼用…
結婚式に参列する…どちらかの親族か?
に…しても…ぐったりし過ぎ!!
「水…持ってきますか?」
「―――…お願い…します」
