
山岸君と照井君
第35章 指先―――……
「来年――――…
お前たちは…大学生になる…
同じ大学生で――――…
教師を目指すんだろ……?
頑張れ―――――――…」
雷心さんは…赤ん坊を連れて戻ってきた心陽さんを優しく向かい入れ……
一心君を…大事そうに抱えた…
「―――…え…
大学生――――――――…」
ギュッと…繋がれた手が…再び熱く…固く…握り返される…
「――――――…宏樹……
○○大学の……教育学部?」
「―――――…苑心…もか?」
俺達は……
声もあげずに――――――…
手を握り合いながら……
泣いた――――――――…
のちのち…笑い話になるだろう…今の状況だが…
涙が…止まらないのだから…
しょうがない……
「苑心…もう…離さないからな…」
「うん…ぅ…ん…当たり前だ…」
