
山岸君と照井君
第35章 指先―――……
式は――――――…
厳かに…神前で行われた…
親族だけが入れる…比較的狭い会場に…
神主と巫女が…
俺たちを出迎える――――…
こんな式に…呼ばれるなんて想像もしていなかった俺は―――――…ド緊張で…足が震える…
自分が主役じゃないのに、と…岳心さんに…からかわれたが…
上手く返せないくらい…緊張していた…
そんな…俺に……苑心は
「―――宏樹は、いざと言うとき頼もしいのに…
こんな時は…まるっきりヘナチョコだな」
って…隣で俺を呆れ顔で見ている…
「―――…うるさい」
でも―――…そんな俺の指を…ずーっと…指で結んでくれている
周りからは見えないが…
俺達は…指先を繋ぎながら…式を見守る…
