何度でも、君を。
第11章 変化。
怒りが込み上げてくる。
それと共に、なにか冷たいものが頬をつたう。
―…ばか。
「…ばーーか!!」
「誰が?」
「わっ!!…誰?!ですか?」
「…それはこっちの台詞。誰に言ってんの?」
「いや…その…なんといいますか…。」
「…フッ…まあいいや。」
そういって笑った彼は、起き上がり微笑みかける。
「…はい。」
「えっ…。」
手渡されたのは、綺麗な水色のチェックのハンカチだった。
「…ここに水、ついてる。」
「あっ…。」
水じゃなくて涙。
きっと、彼も気づいていただろう。