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ネムリヒメ.

第12章 アイスクリームシンドローム.





薄いピンク色のカラーシャツの上にせっかく締めたネクタイを緩めながらアタシに覆い被さる聖くん

彼は栗色の瞳を妖しく光らせながらアタシを見下ろす


「ちーちゃん…」

「っ…」


聖くんの白い指がアタシの唇をなぞる

口元を上げてゆっくり近づく彼の顔に早くなる鼓動


ちょっと…ウソ…これって

病み上がりだし、冗談…だよね!?

聖くんにキスは幾度となくされてきたけれど

このままじゃ…え…!?


そう思うのになぜか抵抗しないアタシ…


揺れる彼の瞳がそうさせないのか、自分が故意にそうしないのか自分のコトなのにわからなくなる


アタシはいったいどうしたいの…


「あははっ…」


よくわかんなくなって目をギュッと瞑ると、顔のすぐ側で聖くんの笑い声がした


「ちーちゃんってホンっトに隙だらけ」

「へ…」


瞑っていた目を丸く開いたアタシの頬っぺたを笑いながらプニプニと指でつつく彼


「そんなんじゃ、すぐに襲われちゃうって」


そう言いながら聖くんは手を引いて 押し倒したアタシのカラダをソファーから起こしてくれる


…ははっ、そうだよね

いくらなんでも病人にそんなコトしないよね、うんうん





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