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ネムリヒメ.

第12章 アイスクリームシンドローム.





が…ホッとしたのも束の間



その代わり…というように、アタシをそっと抱き締める彼


「ぁ…えっと…聖くん!?」


聖くんの言動が混乱するアタシの頭のなかを余計にかき乱す

故に、大きな音をたてて未だに落ち着かないアタシの鼓動


「…ちーちゃんってさ…あの楓くんを身内に持ってるだけあって、オトコの外見には免疫高いよね…」

「そ…かな」


耳元から聞こえる彼の声

目の前が聖くんの甘い匂いでいっぱいになる


「あ、自覚なかった!? …普通はね、葵くんの "あのオンナ殺しの笑顔" くらったら、そこらへんのコはすぐに墜ちるのに…」


あ…それはなんとなくわかるかも

確かに渚くんも葵くんも人並み以上にカッコいいけれど、常に楓が頭のなかにいたから、容姿に関してはハードルが高い…っていうか、楓が一番だと思ってたな


「それに比べて…」

「っ…!?」


ひとりで納得していると、彼の声のトーンが急に低くなる


「…カラダの方は "ノーガード" ってくらい免疫ないでしょ…」

「…っ」


じわじわとゆっくり追い詰めるような彼の口調にカラダがピクリと揺れる


「ほら…」


「っあ…!!」


耳元に唇を寄せていつもより低い声で囁く聖くんの声に、背中がゾクッとして肩がビクリと揺れた





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