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ネムリヒメ.

第15章 イチゴタルト.





目の前の彼から向けられるキラースマイルに、さっきから早鐘を打ち続けている心臓が爆発しそうだった


そして、彼の綺麗な指がそっと頬に添えられて、あっという間に重ねられる唇

誰もいないリビングで、彼の笑顔とキスのダブルパンチに一気に顔が熱くなる


「ベッドのなかでも可愛かったけど、その顔もかーわいっ♪」

「っー…!!!!!」


だ…ダメダメ……

たぶん耳まで真っ赤だよ!?

心臓…止まるかも……


唇を離して、真っ赤になったアタシの顔を楽しそうに眺める葵くんに倒れそうになるアタシ


しかしそんなところで…


「邪魔…」

「ったぁ!!」


えっ?

その声にアタシより先によろめいたのは葵くんだった


「ちょっ…邪魔しないでよね!!」


アタシを腕に閉じ込めたまま、不機嫌そうに彼が振り返る

するとその先に立っていたのは…


「って…みっくん!?」


久し振りに目にするその姿

…それは雅くんだった


「朝から何やってんだテメェは…飯作れよ」


ダイニングから出てきたらしい彼は、睨みながら葵くんのお尻に蹴りをかます

葵くん…蹴られる率、高くなぃ?


改めて目の当たりにした雅くん…

黒髪に前髪にちょこっと金メッシュ

強い目力、整った顔に、スラッとしたスタイル

相変わらずその風貌は、葵くんにも負けないオーラを放ち、不機嫌故に歪んでいるけれどまさに容姿端麗、その一言に限る





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