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ネムリヒメ.

第20章 白と黒の影.






するとそこへ…


「…尾行なんて趣味悪ーっ」

「………!!」


ブラックスーツに並ぶようにして声をかけてきたもうひとつの影が男の肩を叩いた


「バレたら抹殺されるって…」

「…相変わらず派手だな、こっちの坊っちゃまも…」


隣の男と相反するような全身白で固めたの装いに、明るいキャラメルブラウンに金メッシュ…

多目にレイヤーの入ったミディアムヘアは、フロントはシャープに、サイドは外はねにスタイリングされている

少し幼くも見える甘めのフェイスの目元はティアーズドロップのサングラスで隠されていた


「ただでさえ目立つのに自覚ある!?」

「ん…そっち、地味すぎ…」

「ボク…!?オトナのオトコってモノを知らないのかな!?」

「…なに言ってるの、頭大丈夫!?」

「………」


減らず口を返され黙るブラックスーツの男

それをよそに白のサングラスの男は軽い調子でヘラっと笑う


「ま、返り討ちに合わないように、ね…」

「おい…会っていかないのか!?」

「ん!?今日はいいや、宜しく言っといて

…オレの姫に♡」

「………」


そして上機嫌で立ち去るサングラスの姿を見送ると、ブラックスーツの男はフンッと鼻を鳴らしエレベーターのボタンを押した




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