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ネムリヒメ.

第25章 Black Emperor.






そんな聖の姿にオトコである葵も鳥肌をたてていた


「…このまま、オレが欲しくないの!?」

「ほ…しい」


すると、ひときわ艶やかに頬笑む聖…


「なら…」



─ちーちゃんのためにオレが最初すること…


それはね…





「オレの代わりに葵くんを自由にしてあげて…」





「………!!」


それは、小悪魔のような美青年によって唱えられた犠牲魔法の呪文だった


それから、

その呪文の効果をそこにいた全員が目の当たりにしたのはおおよそ数分後…

重ねられた唇の隙間から粘膜を犯す淫靡な水音がテーブルのうえに響き、コクりと頷いた彼女がビクリと大きくカラダを痙攣させ意識を手放すまでにそう時間はかからなかった


「ねぇ…もっとオレと遊ぼうよ」


…そこはまるで生け贄の祭壇のようだった

小悪魔が瞬く間に人ひとりをエクスタシーで昇天させた

テーブルの上から退いた聖が濡れた唇で、静かになっていたオンナたちにそう笑う

一時的に静まり返った部屋に一同が息をのむ音が響く


そして、


「ひじ…」

「早く行って」

「………!!」


若干戸惑う葵の声を表情を変えずに遮る聖


「…渚くんとの話、聞いてたでしょ。葵くんも早く部屋に戻って…じゃないとちーちゃんが」


その先は本当は誰も想像なんてしたくない

だけど…

紛れもなく最悪の事態はそこで起きてる




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