テキストサイズ

sugar-holic

第12章 騙されたりしないんだから!!

無意識に肩がビクンと震えた。

「あ、でも手口は分かってるんですよね。じゃあ乗らないか」

笑いを含んだ口調に、少しだけホッとした。

良かった。からかわれてるだけだ。

「騙されたりしないんですよね?」

「当たり前でしょ?」

答えた私の顎を、人差し指ですっと上に持ち上げられた。

自然と、倉田くんと目が合う。

「そういう負けん気の強い人、嫌いじゃないです」

「なっ…!?」

文句を言おうと開きかけた唇が、倉田くんのそれによって封じられた。

「ふぅ…んんっ…」

逃げようと、顔を背けようとしたのに。

いつの間にか背後に回された腕が、それを許してくれなかった。

顎を支えていた指が、首筋を緩やかに撫でながら下がっていく。

ブラウスの襟元まで下りたら…唇が離れた。

思わず瞑ってしまった瞼を開く。

想像してたより近くに倉田くんの顔があって、体を竦めてしまった。

倉田くんの顔が見れなくて、視線をさ迷わせる。

何で?

キスされた意味も、理由も、何も分からない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ