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sugar-holic

第13章 期待してた?

コツ…コツ…コツ…

迷いのない足取りで、足音が近付いてくる。

「倉田くん!誰か来る…!」

私の警告も無視され、前と同じ場所に、同じ痛みが走った。

「…っ!!」

顔をしかめると、倉田くんは唇を離し、満足げな顔で

「綺麗に色が出ますね」

「あのね…!」

文句を言おうとしたら、おもむろに。

背中を押され、その勢いのまま、商談スペースのソファに膝まづいた。

「きゃ…っ!!」

「しっ!!」

倉田くんが、自分の口の前に人差し指を立てて合図する。

それとほぼ同時に、営業部のドアがノックされた。

「はい?」

倉田くんが答えると、ドアが開き

「お疲れ様です。定時巡回です」

そう言って、守衛の峯岸さんが顔を覗かせた。

「どうも。御苦労さまです」

倉田くんは何事もなかったように、いつも通りに挨拶を返す。

「あれ?課長さん、残ってますよね?」

商談スペースのついたてに隠れてしまって、峯岸さんからは私が見えないらしい。

「あぁ、資料探しに奥に行ってますよ」

私を探してる峯岸さんに、さらりと嘘をついた。

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