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sugar-holic

第14章 セフレですから

徳島部長との打ち合わせが済んで、営業部に戻りながらため息をついた。

仕事としてはうまくいってるのにな。

徳島部長に、この前のイベントの話をしたとき、

「君のところの倉田くん、張り切ってたみたいだね。評判良かったよ」

なんて褒められて…

「そうですか?それは良かったですね」

答えたときに、自分でもひきつった笑いを浮かべてるって気付いた。

倉田くんの名前を聞いただけでこの反応。

本当に、自分でも嫌になる。

このまま営業部に戻る気になれない。

休憩スペースで一息ついていこう。

自動販売機で飲み物を買おうとして、何にするか悩んでしまう。

何か、甘くて温かいのが飲みたい。

カフェオレかミルクココアか…。

「ミルクココアかな」

呟くと、スッと横から誰かの腕が伸びて、投入口に小銭を入れた。

「あ、どうぞ」

横にずれて、お金を入れた人を見る。

「好きなの押して」

そう言って笑ったその人は…

「え…?」

信じられなくて、瞬きを何度もしてしまう。

「平谷次長!?」

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