テキストサイズ

sugar-holic

第14章 セフレですから

驚いた私にくすっと笑うと

「この前はお疲れ様。今日は徳島部長と打ち合わせで来たんだ」

「そうなんですね。ビックリしました」

胸元を押さえて言うと、次長が自販機を指差して

「好きなの押して」

「あ…ありがとうございます」

ミルクココアのボタンを押すと、次長がふぅんと呟き

「梢さん、甘いもの好きだよね」

「え?そうですか?」

「お酒強いのに甘いものも食べてるから、飲み助の両刀使いか、と」

「それ、たちが悪くないですか!?ひどいですよー!!」

くすくす笑いながら返事をすると

「疲れてる?」

「え?」

「特に、仕事で行き詰まったときに、カカオ系のものを食べてたよね」

次長の指摘に、言葉が返せなかった。

何でそんな事まで見てるんだろう。

「…なんて。外れたか?」

違いますよ~!って言えば、この話は終わる。

穏便に済ませたければ…話したくなければそう言えばいい。

だけど…私の口から出た言葉は

「いいえ。当たりです」

そして微笑んだ。

でも…上手く笑えなかったかもしれない…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ