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sugar-holic

第14章 セフレですから

話の流れで、そうなんだろうなって思った。

「やっぱり」

「仕事はできる。人当たりもいいし、取引先からの信用もある」

うん。それは認める。

さっきも徳島部長に褒められてた位だし。

「あいつもそれを自覚してる。…だからかな。人と比較されて、負けるってのを嫌がるんだよなぁ」

紙コップのアイスコーヒーを一口飲むと、

「浅野企画の担当、俺からあいつに移ったって聞いてる?」

「あ、はい。倉田くんから」

初めて浅野社長に顔合わせに行ったとき、聞いた気がする。

「あいつが担当になってから、しばらくして…浅野社長から連絡があってね」

次長が唇の端を上げて、苦笑いに似た表情になった。

「倉田に『平谷くんならやってくれた』って言えば、必ず『分かりました』って言うんだと」

え?

「もうそろそろ奴のキャパ越えるだろうから、どうするか楽しみだって」

浅野社長…。

分かってて、無理難題通させた、って事?

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