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「それ…パワハラじゃ…」

眉をひそめて言うと、次長は手を振って否定して

「倉田が限界認めて頭下げた時に、断るのもビジネスだって教えたらしいよ」

「はぁ…」

何て言うか…そこまで追い込まなくても、言葉でどうにか出来なかったのかな？

「言って聞くような奴じゃないし。身をもって体験すれば分かるだろうって」

「それにしても…ある意味、豪快な方ですね」

だって、もしそれで企画倒れになったら、自分の会社も煽りを喰らうだろうに。

私の感想に、次長はくっ…と笑うと

「なかなかあの人も一癖ある人だからね」

アイスコーヒーを飲み干した。

「面白がるって所は、倉田と似てるかもな」

面白がる？

「他人の真意を見抜くために、嫌がりそうな事を仕掛けたり？」

あ…。

「あとは…そうだな。言って理解しなければ、思い知らせてやるって考え方？…まぁこれは浅野社長から学んだんだろうけど」

何か…とっても心当たりが…ある。

「からかいが過ぎるのが、倉田の悪いところだな」

そう言って、次長はふぅっとため息をついた。