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sugar-holic

第9章 必死だねぇ

《倉田side》

全く…。

俺の持ってきた資料をチェックしている、目の前の男を観察する。

何となく、そうじゃないかって思ったんだ。

だから、急ぎで資料をまとめて持って行ったのに。

ドアの前で聞こえた会話が

『そのうち、全部脱がしてみせるから』

あんた、何の話をしてるんだよ!?

「社長、パワハラって言葉、知ってます?」

頬杖をついて、浅野社長を下から見上げる。

資料から一瞬目をこっちに向けて、クスリと笑うと

「ん?さぁてねぇ」

はぐらかしてるのか?

「じゃあセクハラって言葉は?」

「相手に嫌悪感を与えなければ、当てはまらないらしいよ」

嫌悪感、ね。

多少はセクハラかもって自覚してるんだな。

そのまま見続けていると、目線は資料を見たまま、俺に言った。

「必死だねぇ。…妬くなよ?」

誰が!?

片方の眉をあげて、抗議の表情を浮かべると、社長は俺を見て

「今日は来て良かったよ。梢さんに会えたし、倉田くんの仕事は早いし」

微笑みを浮かべて、満足げにファイルを閉じた。

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