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弱く儚く。

第3章 気づいてしまえば


ピピピッ!
ピピピッ! カチッ!

「んっ‥‥ふぁあっ」

「おっきな欠伸ー笑」

誰のせいだよ。

なんて言ってもわかんないだろうから黙っとくけどさ。

唯斗と俺は無事に夜を終えた。

とりあえず何もなかった。安心してくれ。

「‥‥っあ‥ふぁーもう少し寝る」

時計を見るとまだ7時。

まだもう少しは寝てられる。

だって休日だ。

「だめ。もう7時!起きるぞー!」

唯斗に布団を剥がされる。

「うぅ‥はぇーよ‥」

文句を言いながらも、のそのそ起き上がるといい香りが鼻をかすめた。

あれ?朝ごはん‥?

「お、お前何時に起きてたんだ!?」

リビングには、出来立ての朝ごはんが並んでいた。

びっくりした俺は唯斗と朝ごはんを交互に見る。

「んー6時‥ちょっと前?」

ケロッとした顔でこちらを見返す唯斗。

休日だってのに‥すげぇな。

普段からこうなのか。それとも俺がいるからなのか。

「朝も作るんだな‥」

「あったりまえでしょー?」

こいつのカレーは本当に絶品だった。

きっと家事ができるやつなんだな。

相変わらずの俺たちは互いに小突き合いながらご飯をつついた。

お腹も膨れて、リビングでぼーっとする。

あー和むー。

「‥‥ねぇねぇ!どっか行かない?」

ぼそりと唯斗が呟く。

「はぁ?面倒くさいー」

なんで出掛けなきゃならんのだ。
俺は嫌だ。

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