
弱く儚く。
第3章 気づいてしまえば
で、連れてこられたのは公園だった。
歩いて数分の静かな小さい公園。
なんでここ?
とりあえず訳分かんなかった。
「ここ、落ち着くでしょ?」
ポツリ。呟いた声は静かで、でもどこかしっかりした声だった。
「あ、あぁ。でもなんで?」
戸惑ってしまった。
だって、俺が今まで出会った奴とは全然違うって思った。
だって、雰囲気が不思議で。
行動も不思議で。
心がついてかない。
でも必死でついていこうとしてて。ついていきたくて。
唯斗を知りたいと思った。
「連れてきたかったんだ。だって、」
そこで軽く唯斗は息を吸った。
「宇汰が、好きだから。」
