
弱く儚く。
第3章 気づいてしまえば
「へ?」
こんな反応になるのは無理もない。
だって聞いたか?
好きって俺を?
やっぱおかしい。
「んー。無理?」
やっぱり?みたいに首をかしげる唯斗。
首かしげんの癖だな。
いや、いまはそんなこと考えてる暇なくて!
「まず、なんで!?」
とりあえず質問させてくれ!
「なんでって言われても。」
うーむ。と考え込む唯斗。
「あ!じゃあ!付き合ってくれたら教えてあげるよ!」
こいつはなにを言い出すんだ!?
無茶過ぎる。
「そんなの無理だ!」
俺が叫ぶと、すいっと俺に近づいてくる唯斗。
思わず後ずさる・・・・
のを唯斗は許さない。
ぐいっと手を引かれ、顔が近づく。
「ゆ、ん!?」
微かに唇が触れる。
「本気なんだよ?気づいて。からかいじゃない。好きなんだよ!」
「え。」
思わず息をのんだ。
唯斗が涙をいっぱいためていたから。
どうしていいかわからず涙を手で拭ってやる。
顔は近いままだ。
「わかったから、少し考えさせてくれ。な?」
静かに唯斗は頷いた。
あぁ。気づいてしまった。
