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第3章 再会

さてと、行きますか…

七海と総一郎は、タクシーに乗り込み
待ち合わせ場所である六本木に向かった。

「ねぇ、なんで2年ぶりの再開なのに
あたいも一緒に行っていいのよ?」

「別に…なんとなく」


「実は元カレとか辞めてよ?それとその後の23時からの仕事は絶対さぼっちゃだめよ」

「うん」

「あら、あんた口数が少なくて怖いわよ」

「うん…」

バシッと腕を叩かれて七海はハッとした。

「ねぇ今更会ってどうしよって感じじゃない?なんで
今更連絡してくるのよ!どうしよ、、」

「七海落ち着いて。どんな関係か分からないけど
あんたなら大丈夫よ。」

そうちゃんはどうどう、といった仕草で
私を心配そうに見つめていた。

「今更、よね、本当に…」

「あんたの美しさを見せる時がやってきたのよ」

「その背中あき具合で生殺しにしちゃいなさいよ」

「えっ…そんな気はないけど。私は会ってどうしたいのか分からなくなっちゃったよ」

「ちょっと、もう着くわよ」


タクシーが止まって、そうちゃんが支払いを
済ませてくれた。

タクシーから降りれないでいたら
そうちゃんがわざわざ私の手を取って
まっすぐな瞳を向けて言ってきた

「あんたは、あんたのやりたいようにすればいいのよ。ただ、仕事の事だけは忘れないでね。全てを失うわよ」

七海は一瞬俯いて弱々しく微笑んだ。

「そうちゃん、私を誰だと思ってるの?」

「……」

七海の目に力が戻った。

「七海様よ!」

そういって七海はピンンヒールをコツコツと
鳴らしながら待ち合わせ場所であるバーに向かった。

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