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硝子のルージュ

第2章 #2 忍びよる影

話を聞いて千種は身震いした。


「そんなことやるのかあの女は」


「気に入らない相手なら容赦ない。中には婚約を台無しにされた人もいる」


アイスティーをゆっくり飲みながら穂積はつぶやく。


千種が困惑を隠せないままでいると、心を見透かしたようなことを言ってきた。


「それと乗務員になるかならないかで悩んでるんだろ」


「……」


「やりたいならやればいいんじゃないか。俺は応援するが」


黙り込む千種に穂積はにんまり笑ってみせた。

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