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硝子のルージュ

第2章 #2 忍びよる影

紙袋の中を覗くと豚の角煮に鶏の唐揚げ、野菜の浅漬けが入っていた。


「柏森さん、あまり栄養のあるもの食べてないから」


「いいよ。そんな気を遣わなくて」


申し訳ない様子で話す千種に鳴海はちょっと困った表情を浮かべた。


どうしたのか聞いてみると、慌てて作ったため、まずかったら千種に申し訳ないという理由だった。


その証拠にほとんどの指が絆創膏だらけになっていた。

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