
残飯ガール
第1章 食べ物を粗末にしちゃいけません!
「はぁ、もうお腹一杯だから食べていいよ」
「唐揚げ、ゲットぉぉぉ!!」
あたしは小さなお弁当の中に入ってる肉汁溢れる唐揚げを箸で勢いよくぶっ刺した。
「ん~~柔らか~~い、おいひい~~」
口の中で唐揚げの味が広がる。
この噛んだときの柔らかさがたまらないっ!
「はぁ、相変わらずよく食べるね」
あたしの隣で友人の理紗ちゃんが呆れながら言った。
「なに言ってんの? 今日の理紗ちゃんのお弁当のメインは唐揚げだよ?
唐揚げ食べないなんてもったいない!」
そう言いながらあたしは二個目の唐揚げを口に運んだ。
「はぁ、出たよ。奈々子の口癖"もったいない"」
「ん~ん、ん~んん~」
「食べてから喋りな」
「だって、せっかく作ってくれた人に申し訳ないじゃん?」
「そうだけど……唐揚げは太るし」
空になったお弁当箱を片付ける理紗ちゃんの体型を、あたしはマジマジと見た。
