
残飯ガール
第3章 もう少しだけ…
「うわっ…」
真っ先に目に飛び込んできたのは、真っ赤なハートだった。
「イクラだ!」
赤い粒々たちがキラキラと光ってる。
まるで宝石箱みたい…。
しかも食べやすいように海苔で巻いてあるし…
「久我くん、愛されてるね…」
「……」
ハート型のイクラ寿司を見て、若干ひきつった顔を見せる久我くん。
「……食べてもいいの?」
「どうぞ」
もったいない……
ほんとにもったいない……
こんな奴にここまでするなんて。
一粒残らず全て食べ終わると、あたしは丁寧に合掌した。
「ごちそうさまでした」
「…ありがとな」
久我くんはお弁当箱を洗いにいくために立ち上がる。
「あ、あのさ……」
「?」
「やっぱりさ……こんなのよくないよ。めちゃくちゃ愛情こもってるし、ちゃんと久我くんが食べてあげないと…」
「……」
すると久我くんはあたしから目をそらし、黙ってしまった。
