
残飯ガール
第4章 気づいちゃった
「残飯じゃなくてさ、ちゃんとしたものな」
「た、食べたい!!」
即答すると、久我くんはククッと笑った。
「んじゃ、何食べたいか決めといて。あ、今週日曜日は空いてるか?」
「う、うん! 日曜日は大丈夫だよ!」
わ~~!!
これって……
「んじゃ日曜日、駅前に11時な」
そう約束すると、久我くんは保健室から出て行った。
やった!
美味しいものが食べられる…!!
何食べよう?
ハンバーグ? ステーキ?
チョコレートパフェ!?
どれだけ食べていいんだろう……
てか、わざわざ日曜日に食べに連れてってくれるなんて…まるでデートみたいな…
いやいやいやいやいや!!
ただ、迷惑かけたお詫びにって話だし!!
何を期待しちゃってんの、あたしは…!!
だけどなんだか顔がにやけちゃう…
「奈々子~鞄持ってきたからね~…って、あんた、なに一人で笑ってんの?」
突然入ってきた理紗ちゃんににやけ顔を見られてしまった。
「ち、ちがうの! これはね、久我くんのこと意識してるんじゃなくて、美味しいもの食べられるのが嬉しくてねっ!?」
「ん?」
「えっ? あれ? あたし今なんて言った? …いや、だからね、違うんだよ、うん!」
「もしかして奈々子…久我に惚れた?」
「へっ!? な、なんであたしがあんなやつに…//」
「へ~色気より食い気の奈々子が恋をねぇ~」
「だから違うってば!」
理紗ちゃんがニヤニヤ笑ってる。
「いいんじゃない? あたしは応援するよ」
「理紗ちゃん…」
「あんたは恋でもして、少しは痩せな!!」
「ええっ…!!」
あたしが恋をするなんて…
食べ物より恋愛を優先するなんて…
きっと明日は台風がくるに違いない!!
