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残飯ガール

第4章 気づいちゃった


結局あたしは、体調が悪くてしばらく保健室のベッドで休むことにした。
いつのまにか眠ってたようで、目を覚ましたらなぜかすぐそばに久我くんが立っていた。



「…えっ、な、なんでっ…」


「起こしてごめん。理紗から聞いた…弁当のこと」



うそっ…
まさか、ずっと寝顔見られてた!?

恥ずかし~~!!!!



「…ごめん」


慌てて口元のヨダレを拭いてると、久我くんが真剣な表情をして頭を下げてきた。



「残飯処理係なんてふざけたこと頼んで、本当にすまなかった」

「……」

「細野の言うとおり、最初からちゃんと断れば良かったんだ」

「……」



でもそれじゃあ、また綾さんが嫌がらせを受けてしまうよね。

そうしたくなくて、久我くんは彼女らのご機嫌を取ってたんだよね…

そうやって、綾さんを守ってたんだよね……



「ううん、謝るのはあたしの方だよ。絶対バレちゃいけなかったのに、学校外だからって、ポロッとしゃべっちゃって…」

「……」

「彼女たちの気持ちも少しはわかるの。久我くんに食べてほしくて作ってたのに、全然関係ないあたしが食べてたんだから、そりゃ怒るよ」

「……」

「だからね、これはね、人の思いを踏みにじっていい思いをしようとした、あたしへの罰なの」

「細野…」



久我くんは本当に申し訳なさそうな顔をした。



「大丈夫。出すもの出したら、なんかちょっと痩せたみたいだし?」



あたしはお腹回りをさすった。
本当にちょっと痩せたような気がする…。



「…あれだけ食ってたのに、痩せたいとか…」



ふっ、と久我くんの顔がほころんだ。



「あのさ……迷惑かけたお詫びに、美味しいもんでも奢ろうかと思ったんだけど」


「え?」



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