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残飯ガール

第6章 甘い初体験


「そりゃ災難だったね~」


昼休み。
理紗ちゃんがあたしの話を聞きながら、化粧直しをする。


あたしと理紗ちゃんは今日は中庭のベンチでお弁当を食べていた。

と言っても、いつものごとく理紗ちゃんのお弁当の残りをほぼあたしが食べてるんだけど。



「でも良かったじゃん。また一緒にご飯食べに行こうって誘われたんでしょ?」

「うん」

「がんばれ、奈々子。まだチャンスはある」

「……かなぁ」



あたしは昨日の綾さんのことで、久我くんがショックを受けていたのを思い出した。

久我くんが綾さんのお弁当を食べてたのは、瀬戸くんが残していたからだった。

つまり瀬戸くんと綾さんは付き合ってる?
それとも綾さんの片想い?

でも久我くんがショックを受けたってことは、やっぱり……。



う~~
考えてたらお腹すいちゃった。



あたしはお弁当箱を片付けると、売店に行こうと立ち上がった。


「あれぇ? 子ブタちゃんじゃん」

「!」



聞き慣れた声に振り返ると、渡り廊下に瀬戸くんがこっちに向かって手を振っているのが見えた。



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